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「奥さまはCEO」(鎌田和彦)読了。完成度の高いビジネスエンタメ小説!

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結城ブレイクオンスルーです。

一般にUSENの宇野さん(現在はU-NEXT社長)やサイバーエージェントの藤田さん程の知名度はありませんが、
軽妙な語り口が特徴のブログ(丸の内で働く社長のフロク)が人気で支持者も多い、
元インテリジェンスの社長の鎌田さん。

2008年にインテリジェンスの社長を退任してから何やってるんだろうな〜と思っていたら、
本を出版されていました。それもベンチャー起業家の自叙伝的なドヤ本ではなく小説。


奥さまはCEO

一応舞台は上場しているITベンチャーではありますが、
コテコテのビジネス小説と方向性が180度異なる、
良質なエンターテイメント小説です。

確か出身学部が文学部だったかなと著者略歴をチェックしてみると、
やはりその通り、慶応の文学部でした。
関係あるのかどうかわかりませんけど・・・。

えっ!まさか!?こんなドタバタが…みずから起業し上場を成し得た著者だからこそ描けるITベンチャーの本当の姿。雌雄を決する競合との戦い、人材を引き抜き、M&A、IPO、スキャンダル攻撃…知っているようで知らない業界の内幕を活写した傑作痛快長編。

太ってる時代の堀江さんが書いた「拝金」は自身の経験をベースに小説風に仕立てたような内容でしたが、

鎌田さんは「奥さまはCEO」で今回はたまたまベンチャー企業を舞台としているけど、
今後も本を出し続けるのであればより自由な設定で小説を書いていくんだろうななんて感じさせられるスタイル。
個人的にはエッセー路線にも期待。

成長ベンチャーの美人女社長聡美、長野の二流大学出身の新入社員ショーキチ、なんでもサッカーに例える総務部の上司森田など、
登場人物がユーモラスにかつ丁寧に描かれていて、ストーリーの面白さ・意外性と合わせて読み出したら止まらない系の本です。

ほとんどの人にとっては、
「インテリジェンスの元社長が書いた本!」ということが入り口になるでしょうが、
イチ文芸作品として十分に楽しめる一冊。

ライブドア事件、リーマン・ショック以前の「ベンチャーらしいベンチャーが元気だった」頃の懐かしさと、
スマートフォン、ソーシャルメディア時代の今とか自然に混ぜ合わさったトーンに、
「ニヤリ」とさせられるシーンも多いでしょう。

オススメです。


奥さまはCEO